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質を高めるということ

久しぶりの青空とさわやかな風が戻ってきました。私の一日はNGから始まりました。今朝は長袖にしようか半袖にしようかと迷って風通しのいい綿の長袖の白のボタンダウンにチノパンツ、そしてニットタイとまでは心して支度をしましたが肝心のおきまりの紺ブレを忘れて車に乗り込みました。今日はジャケットなしで締まらない一日となってしまいました。いつも車に入れてあるジャケットも昨日の出張で持ち歩いたので家に置き忘れとなりました。上着、ジャケットのあるなしで心持ちはずいぶんちがうものです。身だしなみ、おしゃれは大切です。

その昨日の出張は勤務校の高等部の社会見学の引率でした。行き先は志摩市賢島方面で志摩観光ホテルクラシックを訪れました。伊勢志摩サミットの首脳会談が行われたホテルです。サミットに合わせて改修もあったようですが、老舗のホテルの佇まいはちょっと言葉では言い表せないほど素敵でした。今となっては規模はほんとに小さい。エントランスから反対側の海が大きな窓越しに間近に望むことができるくらいです。ロビーは落ち着いたブラウン系でまとめられ、北欧調の調度品がよく馴染んでいました。ソファーと通路の間にはテーブルの上に細い線を基調とした金色系のやや大きめの生け花が2点あり、ちょっと艶めかしく光っていました。カワイの工場のホールにあったフルコンサートピアノのフレームや弦のメカニズムが照明を帯びて放つまるで生き物のような色調を思い出しました。凛として呼吸を乱さぬ佇まいです。こうしたところに老舗の底力が表れるのでしょう。

志摩観光ホテルは小学校の卒業遠足で訪れたことがあります。46年前のことになります。伊勢志摩サミットが報道されてそのことを思い出しましたが、実際にその場を訪れるとそれは思い出ではなく、自分の中で今と当時の時間が併行して流れているような感覚になりました。

夜は小学部のお子さんのご家族と話をする機会がありました。ご両親、ごきょうだい、おじいさんとおばあさんもいっしょで、子どもが家族と離れて入院生活を送ることへのたくさんの思いを聞かせていただきました。その中で、いいこともあったよねという話になりました。学術研究としてはPosttraumatic Growth(心的外傷後成長 PTG)と呼ばれる苦悩体験が促す成長です。当事者ではない位置からこうしたことを前面に出した物言いは気をつけなければなりませんが、子どもの頃に入院を経験した学生がまとめたPTGをテーマとする卒業論文を時々読み返しては病弱学校に勤務する者として常に意識を高めるようにしています。「課題」も「成果」もこうした客観性のある整理を進めたいものです。

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