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2014年10月

デオダート

ずいぶん前のものですがNHKの調査では十代後半に出会った音楽がその人の音楽の趣向を決めることが多いとのことです。そんな十代後半というとFM放送がステレオで聴けて録音できるラジカセを買った高校1年生が私の音楽遍歴の始まりといえます。事実、音楽ばかり聴いていたように覚えています。とにかく聴く音楽がどれも乾いた海綿のように自分の中に入ってきたといってもいい。クラシックと洋楽は手当たり次第に聴いていました。その中でもデオダートはちょっと異質な存在で目の前にアメリカの摩天楼が広がるような感覚に包まれました。先日、当時のそうしたアルバムがCDで出ているのがわかってまとめて4枚調達しました。邦題では、デオダートの「デオダート2」と「ツァラトゥストラはかく語りき」、ヒューバート・ローズの「春の祭典」、そして、ジム・ホールの「アランフェス協奏曲」です。名古屋駅前の地下街にダイヤトーンのショールームがあって「ツァラトゥストラはかく語りき」ばかりリクエストしました。レコードをかけるのはマッシュルームのような髪型の若い女性で、当時、もう30数年も前のことですから正規雇用の社員だったと思いますが、手際よくレコードに針を置くと自分の席に戻って文庫本に目を落としていました。少し薄暗いそのショールームはデオダートの電子音楽がよく合っているようい思い、今もデオダートのを聴くとその光景がよみがえってきます。音の記憶は不思議なものです。大学生の頃、今のようにコンピュータやスマートホンがあったらどんな毎日だったろうと時々考えます。私のことですからまちがいなくそんなガジェットに夢中になっていたことと思います。スマートホンにモーツァルトをいっぱい入れて聴いていたにちがいないし、パソコンもやっぱり自作していたでしょう。その頃といちばんちがうのは、今は音楽を聴く時間が当時の何分の一もないということです。交響曲を通して聴くなどここ何年も数えるくらいしかありません。ほの暗いダイヤトーンのショールームでデオダートに聴き入った頃がただただなつかしい。デオダートも十代後半の出会いです。

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10月のポコ・ア・ポコ

10月のポコ・ア・ポコは4家族のみなさまにご参加いただきました。いつもよりちょっと少ない人数というだけですが、この空間こそとがんばるお子さんもいて動作もちゃんとできてグッズなどの受け取りや袋に返すことも積極的でした。みんなわかっているのです。それはふだんの姿でわかっているはずなのに形としてできるとまたちがううれしい気持ちになります。次回は11月30日で1月半のブランクがあります。楽しみにしてその日を待っていてほしいと思っています。

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いくつかの音楽シーン

昨日今日と終わってみれば走りに走って300km超という距離でした。仕事と所用とついでの用事、おまけに台風対策が付いてきました。インプレッサで移動中ずっと聴いていたのは佐野元春でした。先日録画したNHKの「名盤ドキュメント 佐野元春“ヴィジターズ”NYからの衝撃作 30年目の告白」を観始めたら音楽を分析的に聴くことの面白さと全然旧さを感じさせない当時の彼の音楽にとりつかれてしまいました。24トラックの録音パートを足したり引いたりしながら組み合わせて聴くシーンは面白い。そして、ニューヨークでレコーディングした「VISITERS」の緊張感がたまらない。このアルバムは日本では意外な印象を持った人が少なくなかったようですが、でも、これはあることだと思いました。例えば、MALTAの「EXCELSIOR」や松田聖子の「Citron」はアメリカとの縁が深いアルバムで、どちらもちょっと異質かなと思える肌合いやどこまでも抜けるような音が印象的です。佐野元春の「VISITORS」も同じ香りのするアルバムと思っています。襟を正して聴いてしまうところがある。音はクールですが緻密で、聴くときやっぱりテンションを要求されてしまう。でも、これは嫌いではない。

昨日は所用にちょっと足を延ばして名古屋の弦楽器店までヴァイオリンの弓の毛替えに行ってきました。その店は名古屋市立科学館の向かい、白川公園の横に移転していました。高く伸びた並木の前に立つやはり背の高いビルの3階の窓からはヴァイオリン工房が見えました。店内は落ち着いた濃い色の木の壁でした。もちろんそこでは毛替えの話が日常会話のようにできました。こうした意匠の店にこうした人たちが集い、こうした話がふつうにできること、そんな空間からはここしばらく遠ざかっていました。そして今日は、勤務校隣接の病院のエントランスでコンサートがあって小編成のオーケストラを聴く機会がありました。入院患者はベッドや車いすでしばしのコンサートに聴き入りました。これも非日常ですが目の前に展開するひとときでいいものでした。12月には勤務校の子どもたちのクリスマスコンサートもそのエントランスであります。これはちょっとしたサプライズです。

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